このページでは、スマホやルーターを買うときに知っておくと役立つ『Wi-Fiの規格』について案内します。
Wi-Fiの周波数
Wi-Fiの周波数帯には、大まかに分けて以下3種類があります。
- 2.4GHz帯 → 電子レンジで使われる電磁波と同じ周波数帯
- 5GHz帯 → その他の家電と干渉しない周波数帯
- 6GHz帯 → 2022年あたりから普及予定
周波数の特性
周波数が低いほうが壁などの障害物にあたっても遠くまで飛びやすいというメリットがあります。
2.4GHz帯のメリット・デメリット
電波の届く範囲が広いです。しかし、電子レンジなどのその他の家電も2.4GHz帯を使っていることが多く、周りに使っている機器が多い場合は電波干渉をうけやすいというデメリットがあります。
5GHz帯のメリット・デメリット
2.4GHz帯よりも通信速度が早いです。また、他に5GHz帯を利用している機器が少ないので、電波干渉をうけにくいというメリットがあります。しかし、2.4GHz帯よりも透過性が低く壁やモノなどの障害物があると通信不安定になる場合があります。
6GHz帯のメリット・デメリット
5GHz帯よりもさらに高速ですが、障害物にもさらに弱くなります。日本では2022年頃普及する見込みです。
スマホでWi-Fi接続するときに2つのSSID(ネットワーク名)が表示される理由
周波数帯ごとにSSID(ネットワーク名)が表示されるため、家などでWi-Fiを接続するときは、SSID(ネットワーク名)が2つ表示されます。
ルーターの裏面などでSSIDを確認すると小さく「2.4GHz」「5GHz」などと書かれている場合が多いです。
なのでスマホでWi-Fi接続するときは、まずは高速通信のできる5GHz帯のSSID(ネットワーク名)に繋げた方が良いでしょう。
稀に周辺環境によっては5GHz帯では通信速度が出ない場合がありますので、その場合は、2.4GHz帯を試すとよいかと思います。
※6GHz帯が普及したらSSIDが3つ表示されると思います。
Wi-Fiの規格と世代について
参考資料:Wi-Fiの規格「IEEE 802.11」全種類を総チェック! - エレコム
IEEEとは?
IEEEとは、Institute of Electrical and Electronics Engineersの略で米国に本部を置く『電気電子学会』です。
IEEE 802.11とは?
IEEE 802.11は「アイトリプルイー ハチマルニ テン イチイチ」と読みます。
IEEEが認定したWi-Fiの規格のことを指します。
IEEE 802.11の世代
これまでWi-Fiは都度規格が進化させてきました(高速化&汎用化)。IEEE 802.11の後ろにアルファベットを付けて世代を表します。世代と特徴を表にすると以下のようになります。
規格 | 周波数帯 | チャンネル幅 | 最大伝送速度 |
---|---|---|---|
802.11b | 2.4GHz帯 | 22Mhz | 11Mbps |
802.11a | 5GHz帯 | 20MHz | 54Mbps |
802.11g | 2.4GHz帯 | 20MHz | 54Mbps |
802.11n | 2.4GHz/5GHz帯 | 20/40MHz | 600Mbps |
802.11ac | 5GHz帯 | 80/160MHz | 6.93Gbps |
802.11ax | 2.4GHz/5GHz帯 | 80/160MHz | 9.6Gbps |
802.11be | 6GHz帯 | ? | 10Gbps~ |
下位互換性があるので、例えばIEEE 802.11acまでの規格に対応したスマホとかだと、Wi-Fiのスペック表示に、
IEEE 802.11b/g/n/a/ac
などと表記されます。
IEEE 802.11の世代のナンバリング
IEEE 802.11は下位互換性があるので、新しい世代が出る度にそのアルファベット表記を増やしてきましたが、ナンバリングで表記してもOKになりました。
- IEEE 802.11b
- IEEE 802.11b/g
- IEEE 802.11b/g/n → Wi-Fi 4
- IEEE 802.11b/g/n/a/ac → Wi-Fi 5
- IEEE 802.11b/g/n/a/ac/ax → Wi-Fi 6
- IEEE 802.11b/g/n/a/ac/ax/be → Wi-Fi 7
※Wi-Fi 7の後は未定義
WI-Fiの規格と周波数
Wi-Fiの規格(古い順)とその規格で使われる周波数帯を表にすると以下のとおりです。
規格 \ 周波数 | 2.4GHz帯 | 5GHz帯 | 6GHz帯 |
---|---|---|---|
802.11b | o | - | - |
802.11a | - | o | - |
802.11g | o | - | - |
802.11n | o | o | - |
802.11ac | - | o | - |
802.11ax | o | o | - |
802.11be | - | - | o |
例えば、Appleが2020年10月に発売したiPhone 12だとIEEE 802.11axまで対応しているので
Wi-Fi 6 (802.11ax)
と表記されています。
Googleが2020年10月に発売したPixel 5の場合だと、ナンバリングなしで従来どおり対応規格が
802.11a/b/g/n/ac
とずらっと表記されています。あとPixel 5はacまでの対応となっています。
おわりに
以上で、スマホのスペック表を見るときにWi-Fiの対応規格がわかるようになりました。
iPhone 12がIEEE 802.11axに対応したことで今後普及が進みそうです。
802.11ax対応のルーターも登場してきているので、Wi-Fiの高速化を図りたい場合はチェックしてみるとよさそうです。
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