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【無線lan】Wi-Fiルーター(中継機用)のスペックの見方と選び方!

「自宅のWi-Fiが繋がりにくくなったので、新しいルーターを試したい!」そんなときに役立つルーター(ハブ)の増設ですが、ルーターのスペックの見方や選び方をまとめておきたいと思います。

例えばこのルーター、

の場合だと、

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「メーカーはBUFFALO。通信規格は11acまで対応。5GHz帯は最大866Mbps、2.4GHz帯は最大300Mbps。アンテナは2本。」といったことがわかりますね。それぞれの言葉の意味をマスターしてコスパの高いルーターを選べるようになりましょう。

0.重要視すべきところ

1.無線(Wi-Fi)の通信規格

2.最大通信速度(理論値)と帯域

3.2.4GHz帯と5GHz帯の違い

4.各種機能

5.メーカーの特徴

6.コスパの高いルーター

 

0.重要視すべきところ

私的にWi-Fiルーターの中継機を増設する場合に重要視するスペックは以下の点。

・11ac対応か
・アンテナ数(≒下り最大速度)
・ルーターの安定性(使ってみないとわからないところ)

こういったところです。

 

1.無線(Wi-Fi)の通信規格

重要になってくるのがWi-Fiの規格です。Wi-Fiは日々技術革新が行われており、それぞれの無線規格が策定された年代と規格の名称は以下のとおりです。

1997年6月:IEEE 802.11 
1999年10月:IEEE 802.11a
1999年10月:IEEE 802.11b
2003年6月:IEEE 802.11g
2004年12月:IEEE 802.11j
2009年9月:IEEE 802.11n
2014年1月:IEEE 802.11ac
2013年1月:IEEE 802.11ad

主に太字で示した{11b/11g/11a/11n/11ac}の5種類だけ覚えておけば十分です。

 

2.最大通信速度(理論値)と帯域

無線lanの規格によってどのような違いがあるのかというと、主に「使用する帯域」と「最大通信速度(理論値)」が異なります。

11b
2.4GHz帯
最大11Mbps

11g
2.4GHz帯
最大54Mbps

11a
5GHz帯
最大54Mbps

11n
2.4GHz帯&5GHz帯(20MHz / 40MHz)
1x1:72.2Mbps / 150.0Mbps
2x2:144.4Mbps / 300.0Mbps
3x3:216.7Mbps / 450.0Mbps
4x4:288.9Mbps / 600.0Mbps

11ac
5GHz帯(80MHz / 160MHz)
1x1:433.3Mbps / 866.7Mbps
2x2:866.7Mbps / 1733Mbps
3x3:1300Mbps / 2600Mbps
4x4:1733Mbps / 3467Mbps
8x8:3467Mbps / 6933Mbps

11nと11acの最大通信速度が複数ある理由は「MIMO」と「チャネルボンディング」という機能にあります。いずれも11nから使用可能となった機能です。※ちなみに1733+800Mbpsなどと上記表にない2.4GHz帯の最大速度になっている場合、256QAMという機能に対応しており、その他条件を満たす場合のみこの最大速度で通信できます。

MIMO (Multiple-input Multiple-Output、マイモ)、ストリーム数

「1x1」「2x2」などの表記はアンテナの数を表しており、複数のアンテナで通信することで通信速度を向上させる技術を『MIMO(マイモ)』と言います(11nは最大4本、11acは最大8本)。アンテナの数を『ストリーム(通信路)数』などとも呼びます。

ルーターと受信側(スマホなど)が双方に複数のアンテナを持っていれば、それ相応の最大速度で通信を行うことができます。

チャネルボンディング(マルチチャネルとも呼ぶ)

複数のチャネルを束ねて通信することでデータ量を増やす/通信速度を上げる機能です(ただしその空間で使用できるチャネルを減らすため接続台数も減る)。この機能をONにすること最大速度を2倍にできます(ただし電波干渉も起こりやすくなるというデメリットもあり)。

 

3.2.4GHz帯と5GHz帯の違い

帯域別通信規格

Wi-Fiで使われる周波数は2.4GHzと5GHzの2帯域ですが、帯域によって通信規格を分けるとこのようになります。

・2.4GHz帯:11b / 11g / 11n
・5GHz帯:11a / 11n / 11ac

「ウチのWi-Fiルーターから2種類のSSIDが出てるけど?」という場合は2.4GHz帯と5GHzで分かれている場合が多いです(ちょっと古いやつだとWEPとWPAなどの暗号規格で分かれてたりもしますが)。それぞれの特徴をみていきましょう。

2.4GHz帯

〇通信距離が長め
〇障害物に強め
△電子レンジやBluetoothなどの電波干渉を受ける(同じ2.4GHz帯を使用するため)

5GHz帯

△通信距離が短め
△障害物に弱め
△屋外で使用すると電波法に抵触する可能性アリ
〇電子レンジやBluetoothなどの電波干渉を受けない(周波数帯が異なるため)
〇新しい通信規格であるため電波干渉が少ない(2.4GHz帯は皆使うので混雑しがち)

どちらに繋ぐべき?

こういったメリット/デメリットがあるので、周辺にWi-Fiがたくさん飛んでいるという環境では、5GHz帯に接続した方がスムーズに通信できる可能性が高いです。

逆に飛んでいるWi-Fiは少なく障害物が多くルータからの距離が遠いという環境では2.4GHz帯を使った方がスムーズに接続できる場合もあります。

あと、端末側が5GHz帯に対応していない場合2.4GHz帯しか接続できない点と、5GHz帯には対応しているが11acに対応していない場合、下り最大速度が11n(72~600Mbps)などになってしまうので、受信側の端末スペックにも要注意。

5GHz帯対応かどうかの見分け方

11nが2.4GHz/5GHz帯両対応であるため対応可否が見分けづらくなりますが、11aか11acに対応していれば5GHz帯に対応しているルーターです(11aと11acは5GHz帯のみであるため)

屋外使用可否(チャネル)

5GHz帯を屋外で使用する場合は電波法違反となる可能性があります。使用できる周波数と使用できない周波数あり。

・W52→×屋外での使用は違反の周波数(36,40,44,48チャネル)
・W53→×屋外での使用は違反の周波数(52,56,60,64チャネル)
・W56→〇屋外での使用を許可されている周波数(100,104,108,112,116,120,124,128,132,136,140チャネル)

自宅内でWi-Fiを利用するのは問題ありませんが、念のため載せておきます。ルーターの設定でW56のみ発信できる機種もあるので、屋外で使用する場合は覚えておきましょう。

 

4.各種機能

MU-MIMO[マルチユーザーマイモ](11acのみ使用可)

11nのMIMO機能では複数の端末をつなぐ場合、時間で分割して通信を行う必要がありました。

11acでは『MU-MIMO』という技術に進化し、複数の端末と同時並列で通信できるようになったため、MU-MIMO対応ルーターとMU-MIMO端末を用いれば、接続台数を増やしても通信速度が下がらないというメリットがあります。

ビームフォーミング

MU-MIMOを支える技術が『ビームフォーミング』。受信側の場所を狙って指向性の電波を届きやすくする技術で、障害物の多い場所でも通信が安定しやすくなります。また、複数の端末と同時並列で通信を行う(MU-MIMOを使う)際、電波干渉しにくくなります。

ハイパワー/ハイパーロングレンジ/ハイパワーアンテナ

具体的な定義もないためか呼び方はメーカーによってバラバラですが、電波の出力を強化するなどで通信飛距離の伸ばすという機能があります。

ハイパワー:BUFFALO / ELECOM
ハイパーロングレンジ:NEC
ハイパワーアンテナ:ロジテック

電波法で電波出力は規制されているのでぶっちゃけ気休め程度の機能だと私的には捉えています。

ブリッジモード / APモード

ブリッジモード/APモードなどの機能が付いていればルーターからの無線lan増設が簡単に行えます。メーカーにより呼称は異なります。2018年現在発売されているルーターにはほぼほぼこの機能は搭載されています。

親機となるルーターのLANポートとブリッジモード/APモードしたルーターのWAN(もしくはLANポートでも機能しちゃう)ポートに有線接続すれば、Wi-Fiの増設完了、好きな方のルーターのWi-Fiに接続できるようになります。

※無線でブリッジモード/APモードのルーターと接続することも可能な場合がありますが、機器の相性があるので、無線で中継機を増設する場合は事前に可能かどうか調べる必要があります。

同時接続台数(目安)

一般的な家庭用ルーターのWi-Fiの(無線のみの)同時接続台数は概ね10台以下が推奨と言われています。メーカー(Source)によっては16台以下とするところもあるのであくまで目安となりますが、無線で使用するデバイス(スマホ、タブレット、Fire TV、Google Homeなど)が多い場合は参考にしておきましょう。

 

5.メーカーの特徴

各ルーターメーカーの特徴です。あくまで個人的な意見です。

・I-O DATA:安価、不具合の発生確率高め
・BUFFALO:ミドル価格、設定がしやすく初心者向き。
・NEC:やや高価、安定動作の定評あり。
・エレコム:安価多機能、安定性に難あり。
・ASUS Tek(台湾):安価高機能でオシャレ、サポートはイマイチ。
・TP-Link(中国深セン):安価高機能だがNTPサーバーに大量のリクエストを投げたりという不具合があった(2017年12月)りとセキュリティ面に不安あり。

こんな感じなので安定性重視ならサポートもしっかりしているNECがよいのではないかと思います。

 

6.コスパの高いルーター

以上より、使用目的にも拠りますが、NECの『WG1900HP』あたりがコスパ高いんじゃないかと思います。(参考:製品比較表 | AtermStation

NEC製でアンテナは3本と4本(3x4、5GHz最大1300Mbps、2.4GHz最大600Mbps)、ビームフォーミング対応。MU-MIMOには対応していないものの8千円程度で十分なスペック。PS4 Proもアンテナ3本らしいので無線でゲームやってる場合も十分といえそうです。

おわりに

無線lanルーターのアンテナ数と最大速度まで追究している記事が少なかったのでこの際自分でまとめてみました。

ルーターが高性能でも受信側(スマホ、タブレット、スマートスピーカー、キャストデバイス)などがその規格に対応していなければ、速度や安定性は向上しない点には注意です。

特にスマホのスペック表なんかには「11ac対応!」とか「MIMO対応!」とのみ記載があってアンテナ数が記載されていなかったりするので腹立つ(笑)普段使用している端末がルーターの性能に対応できるかどうかは事前に調べておいた方がよいでしょう。ご参考までに。

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