晩年、老衰(自然死)で亡くなることができる確率を調べてみたところ、
- 8%(平成30年のデータより)
でした。
引用元:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai18/dl/kekka30-190626.pdf(厚生労働省 平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況より)
92%の人は老衰で逝けない
最期のときは安らかに眠るように逝きたいと願う人が大半だと思いますが、92%の人は老衰では逝けません。
老衰の定義
医師による『死亡診断書』に「老衰」と記載されていれば老衰となります。
とはいえ何らかの疾患(心不全 / 心筋梗塞 / 脳卒中 / 肺炎など)がある場合はそれらが直接的死亡原因として記載されるので、病死との境目/判断基準は微妙なところだと思います。
また、老衰であっても亡くなる直前の期間は食べ物が食べられなくなったりするので安らかに逝けるといった保証はありません。
人生の最終段階における医療・ケアの在り方
人生の最終段階における医療やケアはどのようにされるのか。
平成30年に改訂された厚生労働省の『人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン』では以下のようなことが記載されています。
③ 医療・ケアチームにより、可能な限り疼痛やその他の不快な症状を十分に緩和し、本人・家族等の精神的・社会的な援助も含めた総合的な医療・ケアを行うことが必要である。
④ 生命を短縮させる意図をもつ積極的安楽死は、本ガイドラインでは対象としない。
Source:https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000197665.htmlより一部抜粋
とはいえ、本人の意思が確認できない場合苦痛を伴う不本意な延命治療がおこなわれる可能性はあるでしょう。
リビング・ウィル / 尊厳死
英米諸国では、人生の最終段階における医療・ケアについて、事前に本人の意思を表明する方法や共有する方法として
- DNAR(Do Not Attempt Resuscitation)
- リビング・ウィル(Living Will)
- 事前指示(Advance Directive)
といった文書を残す方法があります。
晩年意思表示ができなくなる前に、こういう文書を残すのが日本でも一般的になればいいなと思っています。
おわりに
とある病院にて、心臓の鼓動が弱る度に抗生物質で何度も蘇生させられる入院患者を見て「自分もいつかこうなるかも…。」と思ったことがあります。
歳をとるにつれて体感時間は短くなるので思った以上に人生は短いです。
いつか死ぬということを忘れがちですが人間の死亡率は100%なので、最期はハッピーエンドとなるように、終末期のケアについての議論ももっと盛んになればな、と思っています。