2023年2月1日に発売したサイエンスライターで有名な鈴木祐氏の著書『運の方程式 チャンスを引き寄せ結果に結びつける科学的な方法』を読んでみたので簡単にレビューします。
同書には「人生の成功を左右する『運』をつかむための手法」についての科学的知見がまとめられています。
- 「努力で運が左右されるんやったらそれは運やない、実力やm9(^Д^)プギャーwwww」
と思われるかもしれませんがw
同書では「運をつかむための試行回数を増やしましょうね」などといったアプローチが書かれていました。
より具体的には、
- (1) 行動(回数&多様)を増やす→運に出会う回数を上げる
- (2) 察知力を鍛える→出会った運に気づく確率を上げる
- (3) 運が巡ってきたら、その運を活かす
- (4) 上記を繰り返す
という4つの手順のサイクルが書かれていて、それぞれのパラメーターを上げるためのワークが複数記載されており、「各ワークをおこなえば運をつかんで成功に繋げられる確率が上がるよ!」といった構成となっています。
運を海の波に例えるなら
運が波で、あなたがサーファーだとすれば、
- (1) 波に乗るためたくさんトライする
- (2) 良い波が来ていることに気づくトレーニングもする
- (3) 波に乗ったらできるだけ長くその波に乗る
- (4) 以上を繰り返す
ことで良い波に乗れた、という体験が増えるかと思います。
波(=運)の発生自体をコントロールすることはできないけれど、波に乗るためのトライ、波に気づくための努力、できるだけ長く波に乗る、それを繰り返すことならできるでしょう、といったところが本書の趣旨かと思います。
一度で終わりではない運ゲー
気にかかるのは終章「別のゲームを始める」のところ。
一度成功しても日々状況は変わり、いずれ過去の成功パターンは通用しなくなってしまうので、一度運を活かしきったら、また別の運を掴みにいった方がいいよ~的なことが終章に書かれています。
「特定の成功パターンにこだわってしまうと、自ら運の方程式を捨てることになります。」運の方程式 P232より
つまり、一度成功してもその後の人生においても運を掴むための努力をし続けなければならない、ということは…
FIREを目指す人の人生観
一度成功し経済的自由を手にしさえすれば、真の自由と永遠の安寧が約束される…ッ!
実際の人生
……ような甘いものではなく。実際の人生は、河原で石を積み上げては鬼に壊され、また積み上げてはまた鬼に壊されるという賽の河原のような永遠の作業を繰り返させられる地獄…ッ!……ということなのでしょうか。
ただ方程式を使い続ける
ただ、終章の最後あたりに書かれているとおり、
「結局のところ、あなたがどれだけ大きな成功を収めようが、どれだけ手痛い失敗を経験しようが(中略)やるべきことは変わりません。」運の方程式 P261より
別に運の方程式を使わなくても人生を歩んで行けるけど、成功にも失敗にも囚われないほうが、運の方程式をうまく使えるし、人生がイージーモードになりやすいよ、といったところが本書の結論っぽいところなのかなと思います。
おわりに
本書の一番良かったところは、
- 成功と失敗の定義がハッキリ書かれていない
ところでしたw
試行回数を増やせば運を掴める確率が上がるけどもその副作用として不運を掴んでしまうことも増えるでしょうから、行動が少ない人よりも運の方程式を使う人の方が浮き沈みに幅のある人生になることでしょう。失敗を重ねて成功してもその成功に囚われて後の人生が不遇なものになってしまうかもしれない、何が成功で何が失敗かわからない、まさに人間万事塞翁が馬の世界観。
ただ、きっと、本書に書かれている内容を実践した人の方が体験できることの種類が増えてダイナミックでエキサイティングな人生になるのではないかと思います。人生に彩りを足したい人におすすめできる書籍かと思います。