2021年10月28日(日本時間29日2:00-)のFacebookのイベント『Facebook Connect 2021』にて社名を『Meta』に変更することが発表されました。
その他、Facebook(Meta)は今後メタバースに事業を注力していくことの発表などをおこなったので、イベントの内容を簡単にまとめます。
※当記事は同イベントの下手な抄訳です。英語がわかる方は以下の動画をご参照のこと。(全1時間16分10秒)
- Facebook Connect 2021 概要
- Ouclusブランドの廃止
- Horizon Home / Horizon World
- 3Dデジタルオブジェクト / HorizonMarketplace
- ライブサービスゲーム
- VR内で仕事
- Presence Platform(プレゼンスプラットフォーム)
- Project Cambria(プロジェクトカンブリア)
- Augmented Reality with Project Nazare(プロジェクトなざれの拡張現実)
- 今後のメタバースの展望
- おわりに
Facebook Connect 2021 概要
メタバースはモバイルインターネットの後継者になると信じているとマーク・ザッカーバーグ氏が述べます。
現在モバイルインターネット上でリンクをクリックするのと同じくらい簡単に、メタバース上で自分のアバターを使い、メタバース内の人々と交流や体験ができるようになると述べています。
メタバース(metaverse)とは?
3DCGの仮想空間(仮想現実)のことです。meta(超越した / 高次の / 抽象度を上げた…などの意)」と「universe(宇宙)」を組み合わせた造語。
仮想空間といえば昨今ゲームで最も利用されていますが、有名なゲームだと現実世界とのコラボレーションも盛んになってきています。
- ゲーム『Fortnite』で米津玄師がライブを開催
- ゲーム『荒野行動』で乃木坂46がバーチャルライブイベント開催
- ゲーム『あつまれどうぶつの森』で、無人島に移住し、他のプレイヤーと交流する
ブロックチェーン技術との相性の良さ
従来のオンラインゲームなどでは、ゲーム内のアイテムなどは(基本的には)価値を持ちませんでしたが、ブロックチェーン技術やNFTにより複製不可能なデータ/作品をつくることが可能となったため、メタバース内のデータやアイテムなどにも希少価値をもたせることができるようになりました。
メタバースとブロックチェーンを組み合わせると?
今後、メタバース(仮想空間/仮想現実)がより普及すれば以下のようなことが当たり前となってくるかもしれません。
- メタバース内で世界中の様々な人と一緒にゲームをプレイしたり冒険する
- メタバース内で幻想的・冒険的なバーチャル空間を旅行
- メタバース内でアバターを使って会議・商談
- 実際のお金(円やドルなど)を換金し、メタバース内で商品購入
- メタバース内で商品を作って販売、買ったりする人も出てきて、メタバース内で商品の流通、経済ができる
- メタバース内のお金を、現実世界の円やドルに換金
メタバースの可能性については以上です。
Facebook Connect 2021ではそんなメタバースの構想について述べれています。
Ouclusブランドの廃止
2022年初頭を目処に、(旧)Facebook社が提供していたデバイス/サービスのOculusの名称が廃止・変更となります。
- Oculus Quest → Meta Quest
- Oculus App → Meta App
- Oculus Home → Horizon Home
- Oculus Venues → Horizon Venues
- Oculus Friends → Horizon Friends
- Oculus Profile → Horizon Profile
Horizon Home / Horizon World
Horizon Home(ホライゾンホーム)
ユーザーがMeta Questヘッドセットを装着したときに最初に降り立つ場所です。
Horizon Homeでは、ユーザーはこの仮想空間の中で友達のアバターを招待したり、遊んだり、一緒にビデオを見たり、一緒にアプリをプレイしたりできます。
Horizon Worlds(ホライゾンワールド)
ユーザーが独自の世界を構築できるようになっており、この世界をHorizon Worldと名称づけています。友達や他の人と一緒にその世界に入ることができます。
3Dデジタルオブジェクト / HorizonMarketplace
3Dデジタルオブジェクト
Spark ARを使用して、デジタルオブジェクト(ARで作成したモノ)を物理的な世界に配置できます。ARにリアルな奥行き感や反応する3Dオブジェクトもつくることができるように。
Horizon Marketplace(ホライゾンマーケットプレイス)
Horizon Marketplaceでは、クリエイターが3Dデジタルアイテムを販売および共有できます。(旧)Facebook社は、このマーケットプレイスで多くの商取引が可能になり、メタバース経済全体が成長させることを狙っています。
ライブサービスゲーム
ライブサービスゲーム(新しいコンテンツを定期的にリリースし、ユーザーを長期的にサポートするゲーム)もメタバース発展のために提供し続けるとのこと。
Beat SaberやPopulation Oneなどのタイトルが例として取り上げられました。。
新発売のタイトルとして、Blade&Sorcery:NomadやRockstar Games、GrandTheft Auto:SanAndreasなども紹介されてます。
VR内で仕事
Horizon Workrooms
2021年の終わり頃には、Horizon Workrooms(Horizon Homeに新しいオフィススペース)を提供予定。
2Dアプリの提供
2D PWA(プログレッシブウェブアプリ)も発表、VR内で仕事をできるようにする予定です。現在Facebook、Instagram、Smartsheet、Spikeなどのアプリを利用可能。VRヘッドセットを外さずとも同アプリを使用することができます。
今後、Dropbox、Slack、Monday.com、MURAL、My5(UK)、Pluto TV、なども対応予定とのこと。
新しいログインアカウント
Facebookアカウント以外のアカウントでQuestデバイスにログインできるようにすることにも取り組んでいるとのこと。
メタバースへの投資と目標
没入型の学習コンテンツを構築するための次世代のクリエイターをトレーニングするために、(旧)Facebook社は1億5,000万ドルを確保しているそうです。
またメタバースをスケールさせるために、今後数年間に数十億ドルを投資する予定。 目標は、今後10年以内に、メタバースが10億人到達。数千億ドルのデジタルコマースのホスト、数百万人のクリエイターや開発者の仕事をサポート。
Presence Platform(プレゼンスプラットフォーム)
Presence Platformは、さまざまな複合現実の環境や相互作用、音声体験を作成するためのツール。メタバースの環境に反応を付加し、メタバースのバックボーンとして機能します。
Project Cambria(プロジェクトカンブリア)
(旧)Facebook社は(Project Cambriaと呼ばれる)新しいオールインワンVRハードウェアを開発中と発表。2022年発売予定。
同社は、Quest 2のマイナーチェンジモデルでも、Quest 3でもないことを指摘。その代わりに、Project Cambriaはより高い価格のハイエンドデバイスになるとのこと。RGBのカラーパススルー機能やフェイストラッキング、新しい光学系の仕組みを搭載予定です。
Presence Platform作成するエクスペリエンスがProject Cambriaに活かせるとのこと。
Augmented Reality with Project Nazare(プロジェクトなざれの拡張現実)
『Project Nazare』は、完全拡張現実(AR)メガネのコードネーム。 完成は数年先だが開発は順調に進んでいるらしい。
今後のメタバースの展望
メタバースをアップグレードするために次の12の技術のブレイクスルーが必要であり、そのすべてに取り組んでいるとのことです。
ディスプレイ、オーディオ、入力、触覚、ハンドトラッキング、アイトラッキング、複合現実、センサー、グラフィックス、コンピュータービジョン、アバター、知覚科学、人工知能。
おわりに
Facebookの今回の発表で「メタバース」という単語がバズワードと化しそうです。FacebookのMAUは2021年第2四半期時点で約29.1億人。すべてをメタバースに動員できれば一大経済圏が興りますが、個人情報うんぬんや買収問題で評判のよくないFacebookですので、この逆風を乗り越えられるかどうか。
あと入り口としてVRヘッドセットデバイスだと長時間着けてられない問題もあるので、Project Cambriaがもっと気軽に長時間装着できるデバイスになるかどうかもわりと重要な気がします。