2017年1月から施策された『セルフメディケーション税制』。これは2017年1月1日~2021年3月31日の間、市販薬でもセルフメディケーション対象商品なら最大8.8万円まで控除が認められるという仕組みです。
デメリットとしては、従来の医療費控除(医療費-保険金等-10万円)と併用できないということです。つまり、『セルフメディケーション税制』か『医療費控除』どちらかを選択する必要があります。
結論からすると、
・総所得200万円以上かつ年間医療費18.8万円超なら「医療費控除がお得」
・年間医療費18.8万円以下かつセルフメディケーション税制対象外の医療費が8.8万円以下なら「セルフメディケーション税制がお得」
となります。
※筆者は税理士などではないので内容の正確性については保証致しかねます。なるべく情報元を記載するようにしているのでご参照ください。
1.セルフメディケーション税制と医療費控除どちらがおトク?
2.セルフメディケーション税制の節税効果
3.セルフメディケーション税制の適用方法
4.Amazonで買えるセルフメディケーション対象商品
1.セルフメディケーション税制と医療費控除どちらがおトク?
セルフメディケーション税制は医療費控除の特例であり、従来の医療費控除との選択適用となります。したがって、この特例の適用を受ける場合は、従来の医療費控除を併せて受けることはできません。
1-1.セルフメディケーション税制の控除額
2017年1月から始まったセルフメディケーション税制の控除額は、
・『セルフメディケーション税制対象医薬品購入費』▲1.2万円(Source)
です。ただし、最高8.8万円までしか控除はされません。
よって、セルフメディケーション税制対象医薬品を10万円を超えて買っても控除額はそれ以上増えません。
1-2.医療費控除の控除額
従来からある医療費控除の控除額は、
・『実際に払った医療費の合計額』▲保険金等▲10万円*(Source)
です。保険金などで医療費を補てんしない場合で10万円以上医療費を使うと、その差額分の医療費控除を適用できるようになります。
*総所得200万円以下の場合は、総所得の5%で計算
1-3.セルフメディケーション税制と医療費控除の判断
1-1.と1-2.より、
①総所得200万円以上かつ年間医療費18.8万円超なら「医療費控除がお得」
②年間医療費18.8万円以下かつセルフメディケーション税制対象外の医療費が8.8万円以下なら「セルフメディケーション税制がお得」
となります。
①セルフメディケーション税制の控除上限は8.8万円なので、年間医療費が18.8万円を超えた場合、10万円差し引いても医療費控除の方が控除額が多くなります。*ただし総所得200万円以上の場合に限る。
②セルフメディケーション税制は1.2万円超から控除対象に、医療費控除は10万円超から控除対象になります。差額もちょうど8.8万円。よって、セルフメディケーション税制の対象とならない医療費を今年はまだ8.8万円以下しか使っていないなら、今年の残りの病気は市販薬で自分で治してしまってセルフメディケーション税制を選択するという判断もできます。
2.セルフメディケーション税制の節税効果
控除により課税所得が下がるので、所得税(5%~45%)と住民税(10%)を節税できます。1年間にセルフメディケーション対象商品を10万円分購入したとすると、控除額は上限の8.8万円(10万円▲1.2万円)。その場合単純計算で、
これくらいの節税効果が見込めます。可能であれば利用した方がおトクですね。
3.セルフメディケーション税制の適用方法
セルフメディケーション税制を適用するには次の2つの条件を満たす必要があります。
①健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行っていること
ex)定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診②セルフメディケーション税制対象の医薬品を自分または同居親族に対し1.2万円以上購入していること。(控除は1.2万円を超える部分)
参考:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000124845.pdf
3-1.①健康(中略)への一定の取組
いわゆる健康診断を受けろということですが、証明書類として「領収書」や「結果通知書」を確定申告時に提出する必要があります。具体的にどんな書類が必要かは、
証明書類:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000143635.pdf
に記載あったのでご参照あれ。
3-2.②セルフメディケーション税制対象商品
セルフメディケーション税制の対象となる医薬品は厚生労働省のサイトに記載あったのでご参照のこと。
セルフメディケーション税制対象品目:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000145909.pdf
また、1.2万円以上のセルフメディケーション税制を購入した証拠として、その商品のレシート等を確定申告時に提出する必要があります。レシート(or領収書)には以下5点の情報が記載されているものが必要です。
Q22 レシート等には、どのような情報の記載が必要ですか。
①商品名、②金額、③当該商品がセルフメディケーション税制対象商品である旨、④販売店名、⑤購入日の明記が必須となります。Source:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000145098.pdf
以上。
健康診断の領収書とセルフメディケーション税制対象商品のレシート(or領収書)1.2万円分以上があれば控除対象となるというわけですね。
4.Amazonで買えるセルフメディケーション対象商品
Amazonでもすでに何点かセルフメディケーション対象の商品を販売していました。
領収書に5点の情報の記載がなかったら意味ないのでとりあえずルルアタックEXを購入してみました。Amazonでの購入でもセルフメディケーション税制の証明となる領収書を発行できるか試してみます。
2/7追記:厚生労働省さんに問い合わせたところ、通販(Amazonなど)で購入し、自宅プリンタで出力した領収書は証明とならない可能性が高いです。より確実にセルフメディケーション税制を適用するのであれば店頭購入の方が無難です。詳しくは次回の記事をご参照のこと。
おわりに
2017年1月からはidecoも始まり話題となっていますが、セルフメディケーション税制も密かに話題ですね。ただ、医療費控除と併用不可な点はとても残念。確定申告が必要なわりにはあまり節税効果も大きくはないので使う機会はないという可能性も。
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