2016年6月10日に『LINE株式会社』の上場が正式に承認されました。これを機に私もIPO投資に参戦!今回改めて調べたことや、IPOの基本、開設すべき証券会社などをまとめてみました。
1.IPOの基本
細部は端折ってIPOの基本を個人の目線から簡単に。
1-1.『上場』ってなに?
会社が『上場』すると、私たち個人でもその会社の株を買ったり売ったりできるようになります。
『上場』している会社の株を買うためには、『野村證券』とか『SBI証券』とかよく聞く証券会社に口座を開設して、お金を入れればOK。あとはネットや電話、店頭で「上場してる○○会社の株を△△枚購入したい!」という注文を出せばその会社の株を買えます。また、いらなくなったら売ることもできます。
『上場』していない会社の株は基本的に一般的な個人では購入できません。
⇒『上場』すると個人でもその会社の株を買ったり売ったりできるようになる。
1-2.『IPO(新規公開株)』ってなに?
これから新しく上場するということが決まった会社の株のことを『IPO(新規公開株)』といいます。
『IPO(新規公開株)』は値上がりすることが多く人気の株で、私たち一般の個人でも購入することができます。ただし、事前に何株公募するのかも決まっているので、購入できるかどうかは抽選となり、またその株を売ってくれる証券会社も事前に決まっています。
1-3.どの証券会社ならIPOの抽選に参加できるの?
そのときのIPOによって異なります。
例えば、2016年7月15日上場の『LINE株式会社』の場合だと、
『大和証券』『SMBC日興証券』『SBI証券』『東海東京証券』『マネックス証券』『野村證券』『三菱UFJモルガン・スタンレー証券』『ゴールドマン・サックス証券』『JPモルガン証券』『みずほ証券』
の10社で抽選が行われます。
LINE株式会社の場合は、上場時の発行株式数は『2億999万2000』株の予定で、そのうち国内では1300万株、海外では2200万株を公募する予定です(source)。これらの株を上記の証券会社で分け合って抽選を行うわけですね。
よって、たくさん株を割り当てられた証券会社の方が抽選に当たりやすいですし、その証券会社で応募する人が少ないほど当たりやすくなります。複数の証券会社から応募することも可能なので、IPOの当選確率を上げたいなら、できるだけ多くの証券会社に口座開設をして、それぞれの証券会社で抽選に参加するというのがIPO投資の基本戦略です。
ただし、お金がなくても抽選に参加できる証券会社と、口座にお金を入れていないと抽選に参加できない証券会社があるので、各社の条件は先に確認しておきましょう。
1-4.どの証券会社に多くのIPOが振り分けられるの?
主幹事>副幹事>平幹事、の順で多くの株が振り分けられます。
「上場したい!」という会社を支援する証券会社のことを『幹事』と呼びます。具体的には『上場申請書類の作成始動』や『公開価格の決定』などを行います(source)。これら『幹事』の中で中心的な役割を果たす証券会社を『主幹事』と呼びます。『主幹事』となった証券会社はIPOの株式の内8割~9割近くの株を引き受けるので(source)、IPOの抽選に参加するなら『主幹事』となる証券会社の口座は開設しておくべきでしょう。
今回のIPOでは中心とはならなかった『副幹事』や『平幹事』にも、いくらか株が割り当てられます。株数自体は少なくなりますが、応募する人も少なければ逆に穴場ともなりうるので、やはりできるだけ多くの証券会社から応募しておいたほうが当選確率は上がります。
1-5.IPOが当たる確率はだれでも平等なの?
『完全平等抽選』であれば平等です。
抽選方法は主に次の3種類、
『完全平等抽選』・・・機械による抽選。
『完全抽選』・・・機械による抽選。資金量により抽選確率増減。
『店頭配分』・・・お得意様(お金持ち・取引の多い人)に配られるIPO。
があります(source)。
証券会社によってどの抽選方法を取るかは異なっています。
例①:SMBC日興証券⇒完全平等抽選 10%、店頭配分 90%
例②:マネックス証券⇒完全平等抽選 100%
それぞれの証券会社に割り振られた株は、抽選方式によってさらに振り分けられます。無論、資金量の少ない個人としては『完全平等抽選』に割り振られる株の比率が高いほうが、当選確率は上がります。
上記のほかにも抽選に参加するほど当選確率が上がる『大和証券』の『チャンス抽選』や『SBI証券』の『IPOチャレンジポイント』など独自の抽選方法を設けている証券会社もあります。
1-6.どこの証券会社に口座開設すればいいの?
今回私は『LINE株式会社』のIPOに参加するために、幹事となった10社のうち8社の口座開設を行いました。
○野村證券(主幹事)
○SBI証券
○SMBC日興証券
○大和証券
○みずほ証券
○マネックス証券
○三菱UFJモルガン・スタンレー証券
○東海東京証券
×JPモルガン証券
×ゴールドマン・サックス証券
IPOの取り扱いの多い証券会社のほとんどはカバーされています。上記の他に幹事になることのある証券会社は以下のとおり。
・岡三証券
・岡三オンライン証券
・いちよし証券
・カブドットコム証券
・松井証券
・エイチ・エス証券
・SMBCフレンド証券
・安藤証券
・岩井コスモ証券
・丸三証券
・むさし証券
・内藤証券
・立花証券
・GMOクリック証券
・楽天証券
・ライブスター証券
などなど。
IPOで欲しい株が見つかったら、その株の幹事となっているなるべく多くの証券会社に口座を開設したほうがよいでしょう。
また、今後もIPO投資を続けていくのであれば、その他の証券会社にも口座開設をしていたほうが抽選参加までスムーズです。
さらに家族にも協力してもらい、口座数を増やせば、当選確率も2倍、3倍、・・・となります。ただし、口座開設には書類を郵送する必要があり、結構手間と開設までの時間(約1週間前後)がかかるので注意。面倒な場合は最初の8社くらいで十分かもしれません。
2.口座開設時の注意点と税金について
実際に証券会社で口座開設を行うときは、基本的に『特定口座(源泉徴収あり)』を選んだ方が有利。その理由や『特定口座(源泉徴収なし)』『一般口座』との違いは次の記事で解説。
その他口座開設時、選択肢に迷ったときの指南書、役立つであろう用語集など。
3.IPOの上場までの流れと資金について
IPO上場までの流れと抽選参加に資金は必要か否か。
実際にIPO投資をどのようにしていくかと証券会社ごとのIPOルールを簡単に説明。
IPO当選後の株の購入方法・初値で売る方法について。
4.IPO投資の勝率
IPO投資の勝率について。イギリスのEU脱退が確実となった今、IPO投資は安全なのか。当時世界を襲った金融危機『リーマンショック』のときの公募価格・初値の差異を振り返ってみました。
おわりに
IPOの基本としては大体こんな感じでした。
思った以上に説明が多くなってしまいました・・・。
実際にやってみたほうが早いかもしれませんね。