2016/1/19追記:個人向けドローン保険が販売開始されました。詳細は次回の記事にて。個人がドローンを購入して初フライトするまでの流れ まとめ
昨今話題の無人航空機『ドローン』。数日前(4/22)に首相官邸にドローンが落下したというニュースが報道されていましたね。今回の犯人は故意でしたが、もしあなたが趣味でドローンを飛ばしていて、人(子供とか怖い人とか)をケガさせてしまったとしたら。もしドローンで人のモノ(フェラーリとか電線とか)を破壊してしまったら。損害賠償ってかなり大きな額になりそうなもんですが、そういうとき保険って使えるんでしょうか。ふと疑問に思ったので調べてみました。
1.『ドローン』で人にケガorモノに損害を与えた場合、保険は適用されない!?
2.ドローンでも損害賠償を補償できる保険!?
3.今後出てくるドローン保険!?
1.『ドローン』で人にケガorモノに損害を与えた場合、保険は適用されない!?
人をケガさせたり、モノに損害を与えてしまったときの保険といえば、『クレジットカード』や『損害保険』、『自動車保険』などで特約がついているかと思います。
こういう保険の中に、「日常生活において損害賠償を負ったときの補償」として『日常生活賠償特約』や『個人賠償責任特約』といった特約がありますが、こういった特約を付けてもドローンで損害賠償を負った場合は補償されないようです。
では、実際に約款を見てみましょう。
・三井住友海上の傷害保険『ネットde保険@さいくる』の場合:
ネットde保険@さいくるという傷害保険では『日常生活賠償特約』といった特約がありますが、約款のP.86にこういう文言が書かれています。
保険金を支払わない場合~(中略)~航空機、船舶・車両または銃器の所有、使用または管理に起因する損害賠償責任
「使用または管理に起因する損害賠償」ってことはドローンを使っててお金請求されたときってことですね。
ドローンとは日本語で『無人航空機』ですから、この保険金を支払わない場合に該当されます。残念。
参照URL:http://pro.ms-ins.com/personal/netins/cycle/pdf/yakkan_gk.pdf
(ちと見づらいですが、実際の約款は上図のような感じ。)
・東京海上日動の自動車保険『トータルアシスト自動車保険』の場合:
お次は自動車保険代表東京海上日動より『個人賠償責任補償特約』の内容。HP上に、同じような文言が書かれています。
保険金をお支払いしない主な場合~(中略)~航空機、船舶、車両(ゴルフ場構内におけるゴルフ・カートを除きます。)または銃器の所有、使用または管理に起因する損害賠償責任によって補償を受けられる方が被った損害
参照URL:個人賠償責任補償特約
・JCBトッピング保険『日常生活賠償プラン』の場合:
お次はクレジットカード代表:JCBトッピング保険の『日常生活賠償プラン』を見てみます。こちらは引受保険会社が『損保ジャパン』になっているので、『損保ジャパン』の『個人賠償責任保険』の約款を見てみましょう。
こちらも似たような文言が書かれています。
保険金をお支払いできない主な場合~(中略)~⑩ 自動車・原動機付自転車等の車両(原動力がもっぱら人力であるものを除きます。)、航空機、船舶または、銃器
(空気銃を除きます。)の所有、使用または管理に起因する賠償責任
参照URL:http://www.sjnk.co.jp/~/media/SJNK/files/kinsurance/yakkan/golf1409_yakkan.pdf
こんな感じで航空機(ドローン)を使って人にケガさせたり、モノに損害を与えてしまった場合は、従来の賠償責任補償では保険金が支払われないようです。
これは万が一のことを考えると気軽にドローンを操作できなくなりますね。
2.ドローンでも損害賠償を補償できる保険!?
現状ドローンでの損害賠償を補償できる保険は次のようなものがあるようです。ざっと調べてみた感じなのでもっと調べればいろいろ出てくるかもしれません。
・ラジコン保険(ホビー用)
こちらは日本ラジコン電波安全協会というところの「ラジコン操縦士登録」に登録をした人が入れる保険です。約款は残念ながら出てきませんでしたが、HP上にはこのような文言で書かれています。
この賠償責任保険は、日本国内でラジコン模型の操縦中に不注意によって他人を死傷させたり、他人の財物を壊した場合、被害者に支払わなければならない法律上の損害賠償金や争訟のための費用をお支払いするものです。
参照URL:RCK(財)日本ラジコン電波安全協会
ドローンがラジコンに該当するかってところがポイントですが、この保険なら補償対象となりそうですね。
3.今後出てくるドローン保険!?
今後のドローン普及に向け、ドローン保険を引き受ける保険会社も出てくる様子。例えば下記のようなところ。
①DJI専用賠償責任補償制度(三井住友海上と提携)
②東京海上日動『ドローン損害保険』
①DJI専用賠償責任補償制度
中国本社のドローンメーカーDJIが三井住友海上と提携し、『DJI専用賠償責任補償制度』なるものを設けるとのこと。これは今月(5月)発売の同社から販売されるドローン『ファントムIII』に1年間無料でついてくる保険。
ただし、業務使用は対象となるが、個人使用(趣味など)の使用では対象外。
対人で1億円限度、対物で5千万円を限度に補償が効くとのこと。
②東京海上日動『ドローン損害保険』
今年(2015年)7月から保険会社大手『東京海上日動火災保険』が「産業用無人ヘリコプター総合保険」を販売開始予定。保険の内容はまだ不透明ですが、産業用という文字がすごく気になるところ。個人使用でも補償対象となるかどうかですね。
まとめ
それにしてもドローンの事故率とかっていつどこで統計とったんでしょうか。それは置いといて、ドローンを操縦してて他人にケガやモノに損害を与えてしまったら多額の損害賠償を被ることもあるでしょうから、なるべく早めに保険に加入しておいた方が無難かもしれません。