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2年半ぶりに名著『嫌われる勇気』を読んでみた感想

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初版は2013年12月12日のアドラー心理学を題材とした自己啓発系本『嫌われる勇気』。同書は人気の衰えを知らず、2年半以上経過した現在でもTVなどで度々話題になっています。

私は同書を引越しの際にすっかり無くしたものだと思っていましたが、本棚から普通に出てきたので、久しぶりに読んでみた感想とか役に立つと思った考え方とかをピックアップしていきたいと思います。

 

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目次

1.(改めて)役に立つと思った考え方
1-1.課題の分離
1-2.承認欲求を否定する
1-3.劣等性≠劣等感≠劣等コンプレックス
1-4.『自己受容』『他者信頼』『他者貢献』
1-5.目的論

 

1.(改めて)役に立つと思った考え方

『嫌われる勇気』で紹介されている『アドラー心理学』では、

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」 p.71

と定義しています。それゆえ同書では人間関係を改善するためのヒントが盛りだくさん。私的に良いと思った考え方をピックアップしていきます。

1-1.課題の分離

その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か? p.141

自分の課題と他者の課題を切り分けて考え、他者の課題には踏み込まないことで人間関係のトラブルを避けることができると語られています。

具体例としては勉強しない子供に「勉強しなさい」と言う親が挙げられています。この場合、勉強せずに最終的に困るのは子供なので『勉強は子供の課題』となりますが、親が自ら「勉強しなさい」とその課題に土足で踏み込むことで親子関係が悪化します。(勉強のサポートを頼まれて手伝うのはOK。そういった意味での『土足』。)

私的な所感

この考え方を知る前と知った後で私自身、人間関係に何か変化があったかというとそんなに変わりませんでした(笑)。ただ他者に対して余計な気を遣わなくて済むようになったので、対人関係における内的な心理負担はかなり軽減されています。

また、「勉強しろ」と言われて腹が立って勉強する気がなくなった(逆にいくら勉強しろと言っても子供が聞かない)、という経験はありがちなことなので共感しやすくわかりやすい考え方だと思います。

 

1-2.承認欲求を否定する

アドラー心理学では他者から承認を求めることを否定します。 p.135

本書では他者から承認してもらうために他者からの期待を満たそう、期待に応えようとすると苦しくなると語られます。

具体例として仕事の主眼を「他者の期待を満たすこと」に置いた場合が挙げられています。その仕事ではいつも他者の視線を気にして評価に怯え、自分本位に振舞えなくなり、相当に苦しくなります。

私的な所感

承認欲求は特に10代が強いとされており、facebookやInstagramをはじめとするSNSでは如何に10代の承認欲求を満たせるかを強く意識しているそうですね。(source)

ちょっと脱線しましたが、『承認欲求の否定』および他者の評価をしないことを実践すると会社の給与査定とかはどげすんべ?ということになりかねない。ただプライベートとかではわりと実践しやすくて、行きたくない飲みの誘いとか遊びとかをいい顔して賛同しなくてよくなるという『断れる勇気』は出てきます。他者が自分をどう評価するかは他者の課題(課題の分離)。

 

1-3.劣等性≠劣等感≠劣等コンプレックス

155センチメートルというわたしの身長が「劣等性」ではなかった p.75

身長のことを気にしていた哲人が、友人に「その身長は劣等性ではなく、人をくつろがせる才能だ」と言われ、思い悩むことがなくなったというエピソードが語られます。

健全な劣等感

また、同章において『他者との比較ではなく理想の自分との比較における劣等感』を持ち、努力するのは望ましい姿であると語られます。

逆に劣等感を言い訳に何もしないことを『劣等コンプレックス』、正当な努力や成長なしに劣等感を補填しようとすること(例:経歴詐称、ブランド物で衣服を装飾)を『優越コンプレックス』と定義しており、これらはよくないことと説いています。

私的な所感

つまり単純に『優越性の追究』(理想の自分に向かって努力)をすればよいということになりますね。要は卑屈にならず前向きに努力。それができないから困ってるは禁句。

 

1-4.『自己受容』『他者信頼』『他者貢献』

「なにが与えられているか」について、変えることはできません。しかし、「与えられたものをどう使うか」については、自分の力によって変えていくことができます。 p.228

まずは偽りのないありのままの自分を受け入れ、前に進むこと(自己受容)。その上で他者を条件なしに信頼すること(他者信頼)、そして他者に貢献すること(他者貢献)で共同体感覚が得られると語られます。

私的な所感

条件なしに他者を信頼すると詐欺というビジネスが成り立ってしまうので、条件なしという一文に関しては反対!都度他者を信頼するかはその刹那選択していけばいいと思います。自己受容をすれば優越性の追究が可能となり他者への貢献感も出てくるのでこの流れは綺麗ですね。

 

1-5.目的論

ご友人は「不安だから、外に出られない」のではありません。順番は逆で「外に出たくないから、不安という感情をつくり出している」と考えるのです。 p.27

フロイトの心理学では何か原因があったからその結果が起こった(原因論)と解釈をしますが、アドラー心理学では『目的』のために感情や病気、幸不幸などを作り出すとしてます(目的論)。

私的な所感

例えば会社を休むときに「会社を休みたいから風邪ひきました!」と目的論で説明すると不具合。「連日働きづめだったため体調を崩しました」という原因論の方が幾分言いやすい。おそらくここで重要な点は『原因論』でも『目的論』でも「風邪を引いた」その理由をそれなりに納得のいく説明ができてしまうこと。場合によって考え方を使い分けると便利ですね。

 

おわりに

以上『嫌われる勇気』を改めて読んでの感想でした。TVなどで話題になっているとはいえアドラー心理学が唯一絶対神というわけではないので、自分にとって有益な概念・考え方を取り入れたり、いままでの考えと併用したりしていくとよいと思います。たとえばアドラー心理学では劣等感を是としていますが、劣等感を持ちすぎるとそれはそれでキツくなってきますし。

そして本書でもアドラー心理学は『劇薬』と語っているとおり、内容がちょっと厳しいです。マジで心の病を抱えているとかうつ状態にあるとかいう場合は読まないほうが吉かと思います。ご参考までに。

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